レスベラトロールには言われるほどの効果はないのでは？

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レスベラトロールには言われるほどの効果はないのでは？－研究で　【アメリカ】　2012年11月16日

赤ワインに多く含まれ、心臓病・動脈硬化・糖尿病・アルツハイマー・ガン・加齢抑制など多くの病気に効果があるとして、研究が進められているレスベラトロール（resveratrol）。

しかし今回一部のレスベラトロールの効果に疑問を呈する論文が発表された。研究を発表したのは、ワシントン大学（Washington University）の栄養センター長（director of the center for human nutrition at Washington University）であるSam Klein博士らのグループ。

研究は、29人の閉経後の健康な女性に対して、レスベラトロールの投与によるインスリンの分泌の変化を見るために行われた。治験者は14人と15人に分けられ、一方には毎日75ミリリットルのレスベラトロール（ワインに換算すると1日8リットル飲むと取れる量）を投与し、もう一方のグループにはプラシーボを12週間にわたって投与した。

結果は、インスリンの分泌の感度もグルコースが筋肉に取り込まれる率も、両グループとも変わらなかった。治験者の筋肉の組織を細胞レベルで調べ、違いを見つけようとしたが、ここでも差異は見られなかった。

レスベラトロールに関する研究結果の多くは動物実験によるもので、人間に対しての研究は多くないとされる。この研究は、人間に対してのレスベラトロールの研究としては最長のものだという。またこの研究で使われた手法は、手法として精緻なものだとされる。

1990年代初頭に、フレンチパラドックスの問題が提起され、赤ワインの成分が健康に寄与しているのではないかとして大きな関心を集めた。これを契機に世界のワイン消費が上昇したのは確かだと言われる。

レスベラトロールは赤ワインに含まれるポリフェノールの一種で、1990年代半ばごろから研究者の間で研究が始まったようだ。その後、レスベラトロールの効用に関する研究は次々と発表され、今では何千という研究論文が発表されている。しかしいまだに誰も、こうだという確定的なことは言っていないという。その間に、レスベラトロールのサプリメント市場は大きくなっている。

それでは、レスベラトロールが全く効果がないものなのかということも断定できないと見られているようだ。多くの研究者は、ワインの中のほかの成分と複合的に作用して、健康効果をもたらすのではないかと考えているようだ。

2012年10月には、University of South Australiaからレスベラトロールサプリメントの肥満な人での血流改善が報告されるなど、ポジティブな報告もある。

Klein博士は、適量の飲酒による健康効果は、多くの研究で指摘されているので、レスベラトロールのサプリメントを取るより、適量のワインを飲んだ方が、健康に対する効果がある可能性があるとしている。また、少なくとも健康な女性はレスベラトロールのサプリを取らなくても良いとしている。

Resveratrol Supplementation Does Not Improve Metabolic Function in Nonobese Women with Normal Glucose Tolerance, Cell Metabolism

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