ドイツの歴史的名門ワイナリー・Kloster Eberbachへの資金投入を巡って混乱

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ドイツの歴史的名門ワイナリー・Kloster Eberbachへの資金投入を巡って混乱　【ドイツ】　2015年3月6日

ドイツ・ラインガウ（Rheingau）の名門ワイナリー・Kloster Eberbach（クロスター・エバーバッハ）への資金投入を巡って混乱が生じている。

Kloster Eberbachは、1136年にシトー派の修道僧たちによってはじめられた歴史的で貴重なワイナリーで、有名なリースリングワイン・Steinberger（シュタインベルガー）を有する。

Kloster Eberbachは、ヘッセン州（Hessen）の州立のワイナリーとして運営されてきたが、2003年にEU委員会の命令によって強制的に民間会社（半官半民のような）に移行させられたという経緯があり、現在の所有者はHessische Staatsweingüter（State Wine Estate of Hessen）となっている。

ただしヘッセン州の財務大臣が、同社の監査役会のトップを兼任していて、同社の経営に関与している。

Kloster Eberbachの財政状況を改善するために、Hessische Staatsweingüter（State Wine Estate of Hessen）は、同ワイナリーへの公的資金投入を検討している。ところがEUは、ワイナリーへの公的資金の投入は禁止しているため、それをくつがえさないと現状では資金注入は困難な状態だ。

Kloster Eberbachに公的資金が投入されることは、税金が投入されることを意味する。これにはラインガウ地域のワイン生産者も納得しがたいところだ。それは自分の競合相手が税金によって助けられることになるからだ。

Hessische Staatsweingüter（State Wine Estate of Hessen）は、Rheingau と Hessische Bergstrasse（ドイツに13あるワイン地域で最少地区）に合計250ヘクタールのぶどう畑を所有し、その中には34ヘクタールのあのSteinberg（シュタインベルグ）も含まれる。

長年にわたりラインガウのワイン生産者は、Kloster Eberbachへの州による財政援助を問題視して、EU委員会に対し経済の公平性を損なうとしてアピールしている。しかし州側はEU委員会に対し、税金投入によるKloster Eberbachの経営基盤の強化を認めるよう働きかけていくとしている。

Kloster Eberbachには、地域のワイナリー間の問題とEU委員会のルールのふたつが絡んで、この歴史的な名門ワイナリーに困難を生じさせているようだ。

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