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EU, 域内のぶどう栽培面積抑制策を一転―次のステップへ 【EU】 2015年4月24日


EU委員会(EU Commission)は、域内のぶどう園の新規開設についての新しいルールを発表した。これは世界市場でのワインの需要増加に対応する、新しい指針だ。

新しいルールは、2016年1月1日から適用となる。新基準では、これまで過渡的措置として取られてきた基準を刷新し、それぞれのEU加盟国に、新規のぶどう園開設面積を年間1パーセントを限度に認めるとしている。

EUは2000年代、品質の劣った過剰なワイン生産に苦しみ、世界市場で大きくシェアを奪われるという苦い経験をしてきた。2009年に大幅な妥協の末、『EUのワイン大改革』プランが実行に移され、現在に至っている。

この改革プランでは、EUのぶどう園の大幅な減反政策が導入され、2015年までは新規のぶどう園開設は認めないとした。しかしその規制の終了に伴って、2013年には2016年以降はEU域内の総量として、年間1パーセントのぶどう園新規開設を認める新基準を、EU議会とEU委員会は合意していた。

今回の決定では、EU全体でぶどう園面積の新規増加を1パーセントとしていたのを、実際の実施では各国に1パーセントの新規増加を認める内容になっている。

EU委員会の農業部門のコミッショナー(EU Commissioner for agriculture & rural development)・Phil Hogan氏は、これまでのぶどう栽培面積の抑制策から緩やかな拡大政策への移行は、世界のワイン需要の増加に対応するもので、EUワインの継続的なシェアの低下に歯止めをかけることになると指摘している。


 【Behind the Scene】

今世紀に入った頃からの、EU域内のワイン(とりわけフランスワイン)の世界市場での低迷は、EUに大きな決断を迫りました。それまで大勢を占めていたヨーロッパのワインが、ヨーロッパ以外のワインに駆逐されるようになったからです。

その原因は明らかにワインの品質差にあって、世界の消費者はヨーロッパのワインを優先的に選ぶことをしなくなりました。そのためEUは、ぶどう栽培の根本から手をつけざるを得ない事態に陥りました。

そこで大幅な減反政策を導入し、新規のぶどう園開設も認めない政策がとられましたが、その期限が2015年となっており、本年以降の新たな基準が策定されることになりました。

私個人は、すでに世界ではオールドワールド・ニューワールドというワインの色分けは陳腐化しているのではないかと思っています。世界のワインは明らかに品質志向になってきており、漫然とワインを造って売れた時代は過去のものになっていると思います。

今やワインは消費・生産とも地球規模の商品となりましたから、おのずとそこには市場原理が働き、競争環境は厳しさを増すだろうと思います。

『EUのワイン大改革』については【関連ページ】をご覧ください。

(伊藤嘉浩)




【関連ページ】

EUのワイン改革、大幅な妥協の末、合意 【EU】 2007年12月24日』
EUのワイン改革プランが執行 【EU】 2009年8月13日』
EUの農民組合は、ぶどう園の新規開園の規制継続を望む 【EU】 2011年10月3日』
ワインセクターのために用意された巨額資金、使われず放置 【EU】 2009年7月13日』

EU域内の2030年までのぶどう園の拡大は、最大年1パーセントに決定 【EU】 2013年7月5日』

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