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チリのワイン醸造でのワインへの加水条件の修正立法、ワインのアルコール度操作とは関係ないと説明に躍起 【チリ】 2014年2月13日


チリは先般、ワインの醸造時にワインに対して加えられる『水』の上限を7パーセントとする法律の修正を行った。またこのワイン醸造上の実践は、世界のどの国の貿易相手に対しても説明する必要はないとしていて、ヨーロッパの一部からはEUの規制に抵触するのではないかという指摘が出ている。

これに対しWine of Chileは、醸造時にワインに水を加えるというのは、酵母を温水で事前に培養するために使われる水であったり、ワインの醸造上必要な物質をワインに投入する際にそれを水溶液にするために使われる水のことで、ワインのアルコール度や酸度を変化させる目的の加水ではない。こうした加水行為は完全に禁止されていると強調している。

加えてこの基準は、これまで認められている世界のワイン醸造の規制と実践と変わりがなく、今回の立法措置は、ワイン醸造時の水の使用の規制をより透明化し、明確にするものだと理解を求めている。

チリ側は提起された批判に対し、アメリカ・オーストラリア・ニュージーランド・アルゼンチンはじめ、世界のワイン生産国のどの国に対してもこの問題に疑問が投げかけられたことはなく、ワインの醸造に関してこの点でEUの承認が必要だったという経緯もない。なぜなら酵母を培養することや醸造上適切な物質をワインに投入することは自然なことであり、新しいことでもない、となぜ今回の修正立法がやり玉に挙げられるのか困惑しているようだ。

更にチリでは、ワインの醸造に使われる水の使用に関しては、当局の厳しい監視があり、記録の義務も課せられている。チリではワインのアルコール度を下げるために水を加えるということは禁止されていると強調している。


【コメント】

『ワインに水が加えられる』と聞けば、消費者もワインマーケットの方々も一体どういうこと? とお思いになっても不思議ではないと思います。なぜならその行為は、ワインを薄めて量を多くしたり、アルコール度数を簡単に調整することだとイメージされるからです。それは無理からぬことです。

ワインの醸造においては、記事にあるように必要上やむを得ず少量の『水』を使うことがありますが、そこで使われる水の量が、ワインの品質やスタイルに影響を与えるということは通常考慮されず、その違いを認識されることもないと思います。

今回のチリの規制では上限7パーセントの水の添加は許可ということになっていますが、その加えられた7パーセント分の水が、そのままワイン中に残るということではないと思います。

このあたりはワイン醸造のテクニカルな部分で、この場で詳しく説明することはできませんが、ただこのことは恐らくワインのマーケットにおられる専門家の方でもわかりづらく、誤解が生じやすい部分ではなかろうかと思います。

こうした部分にご関心がございましたら、いつでもご連絡ください。お話しさせていただけると思います。

(伊藤嘉浩)




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