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3分の1のワインがAOCの資格なし? 【フランス】 2007年9月19日


AOCを名乗るフランスワインの3分の1が、AOCを名乗る基準を満たしていないとするレポートが、フランス国内で大きな影響力を持つ消費者団体UFC Que Choisirから発表された。

このレポートは、フランスワインの国内外の消費者離れに歯止めをかけようとしている最中に発表され、フランスワインは更なる火種をかかえることになりそうだ。

消費者団体の代表Alain Bazotは、いまではアペラシオン(AOC)の数は462を数え、消費者はわけがわからなくなっているとし、2005年度ではAOCの認定申請したワインの99パーセントが認可されている現状を非難している。

さらにこの指摘は、ワイン生産者からも支持を受けていて、意見を聞いたワイン専門家の3分の1以上は、AOCは品質基準として機能しておらず、もはや意味のないものだと考えているとしている。

また3分の2の専門家は、AOCのシステムが始まった1935年当初に考えられた、地域の『テロワール』の基準と現在のAOCの基準はまったく関連がないと指摘している。

ある生産者は、はじめはこのシステムは機能していたが、当初指定された地区の面積が次第に拡大され、結果として広大なエリアが同じAOCとなった。ワインがそのAOCを名乗れるかどうかの審査といっても、審査員がその生産者なのだからお笑いだ、と言っている。

AOCシステムを統括するINAOに対しての改革要求は大きくなっているが、INAOの保守的な体制に業を煮やしている生産者も現れている。

One in three AOC wines not up to scratch, Decanter


【コメント】

一方でAOCのシステムは、どこでワインが生まれたのかを保証するのであって、ワインの品質を保証するものではないとの見方もあるようです。消費者の観点からすれば、ワインが460を越える地域のどこでとれたかということより、品質が伴っているワインがAOCの呼称を与えられるのだと考えるのが自然ではないでしょうか。

このワインのAOCシステムはフランス独自のもので、ひとえにフランス国内の問題です。フランスワインの低迷の大きな背景は、世界の消費者が以前と比べてフランスワインを選択しなくなったことにありますが、その理由がフランスワインの品質の相対的な低下にあるのは否定できないでしょう。

世界の大多数のワイン消費者にとって、フランスがAOCシステムをどう運用するのかということにはほとんど関心がないと思われます。それよりも求められるのは、飲んでおいしかったという実感でしょう。フランスワインの再生は、フランスにとって大きな問題として横たわっています。


【関連ページ】

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