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シャンパン製法のスパークリングワイン、Cavaの香りや風味にバクテリアが関与 【アメリカ】 2005年6月9日

メソードシャンプノワーズ(Method Champenoise)で造られるスパークリングワインの香りや風味、泡の大きさ、泡の持続性はワインの中のバクテリアの影響を大きく受けている、という研究結果が発表された。

この発表は、2005年6月5日から9日まで開かれたアメリカ微生物学会(American Society of Microbiology)において、スペインのバルセロナ大学の研究者らによっておこなわれた。

同研究チームは瓶詰め後9ヶ月から17ヶ月を経た2種類のCavaから617のバクテリアを分離し、さらにCavaの熟成の期間の違いにより、ボトル内のバクテリアのタイプが異なると発表した。

シャンパン方式の製法では、ボトルの中での(2回目の)発酵時に二酸化炭素がワイン中に溶け込み、それが栓を開けて飲むときに口の中で“はじける”ことからsparklingと呼ばれるが、Cavaの場合は最低9ヶ月はビン熟をさせなければならない。その熟成期間が長くなっていくとより高級であるとされている。それはワインの複雑みが増していくからである。

『ビン内での熟成の期間中に、ボトルの中の酵母細胞のゆるやかな変化がワインにかなりの化学的変化をもたらし、その結果Cavaに複雑さを与えている。酵母細胞から放出されるさまざまな成分がワインの風味に影響を与えるのと同時に、それがバクテリアへの栄養供給源にもなっている』と研究者らは語っている。

研究者の一人であるNuria Riusは、『酵母がワインの化学的な成分構成に大きな役割を果たし、それがワインに個性を与えるというのは確かにそうだが、Cavaの味覚や風味に影響を与えるのは、ワインの中に存在するバクテリアのせいかもしれない』と語っている。

研究者らは、分離されたバクテリアはグラム陽性菌とグラム陰性菌の両者ともであるが、グラム陰性菌は熟成の期間が長くなるとグラム陽性菌にとって代わられるようだ。瓶詰め後17ヶ月のCavaでは、グラム陽性菌のみが検出された、と語っている。


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この記事のポイントは、メソードシャンプノワーズで造られたスパークリングワインの香りや風味に個性を与える要因としてバクテリア(bacteria)が関わっているのではないか、ということです。

シャンパン方式で造られるワインは、ビンに入ったワインに対してろ過(filtration)をしていませんから、ワインの中に何か微生物がいたとしても不思議はありません。またバクテリアというと、何かからだに悪影響をおよぼす病原菌といったイメージを抱きますが、現在までワインの中で生存できる生命体で、人体に対して毒素成分を持つものは認められていません。

ワインは微生物の働きなしでは存在しない飲み物で、酵母(yeast)以外でもマロラクティック発酵を起こす乳酸菌はよく知られた存在です。乳酸菌はlactic bacteriaといいます。









       

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